TOKAI TURNING POINT

Number理美容経営者のターニングポイントを知り、学ぶ。

Calm松波 和宏

Kazuhiro Matsunami

1979年5月6日、三重県生まれ。通信制の美容専門学校に通いながら、名古屋のヘアサロンで修行を積み、美容師免許を取得。その後、30歳で地元の津市へ戻り、2010年3月16日ヘアサロン『Calm』を開業し独立を果たす。現在は『Calm』内にまつ毛パーマ・アイブロウ・まつ毛エクステ『小さなアトリエojo(オホ)』を併設し運営中。近い将来に新たな店舗展開を構想している。

個人を尊重することでスタッフも顧客も獲得。『やり方』ではなく経営者としての『在り方』を学ぶ

結婚を機に地元へ戻り、独立。二代目ではなくあえて『経営者』に挑戦。

実家が床屋を経営、二代目となるべく通信制の美容専門学校に通いながら、名古屋のヘアサロンで修行を積み、美容師免許を取得。しかしその後、結婚を機に30歳で地元の津市へ戻り、2010年3月ヘアサロン『Calm』を開業し独立を果たした。
「自分は長男ですので、家業を継ぐために美容師免許を取得しましたが、12年間経験を積んだ段階で結婚をしたこともあり、この機会に地元に戻って開業し“経営者”になるという挑戦を選択しました」
住居兼店舗としてヘアサロンをオープンした当初は、夫人と弟の3人でサロンを切り盛りしたが、フリーペーパーを出しても集客がかからないことに不安を覚え、オープン前にはすでに入会していたSPCの門を本格的にくぐることとなった。

Kazuhiro Matsunami

リスクを最小限に抑えた開業が可能

理容師である父の知り合い先輩経営者との縁で、オープンの数週間前にはSPCの勉強会を見学、会議などに参加し、メディアモーダ会員に。
「具体的な経営の話を目の前で聞けることが新鮮でどんどん参加意欲が湧きました。集客の方法についてもディスカッションする場面があったのですが、一度自分で考えた方法を実践した際に上手くいかなかった点を省みながら、改めて先輩経営者に具体的な成功事例を教わることで安定的な集客が見込めるようになりました。オープン前に入会できたことでリスクを最小限に抑えたスタートを切ることができましたね」
その後、夫人の出産をきっかけにスタッフの増員を決意、より責任のある立場となったことで店と自身の“在り方”を見直すため正会員になった。自分と考えが違うと感じることも、成功例をまず実践してみる。そうして自店にとって結果が出る最適解だけを自身の判断で取り入れることが大事だと話した。

Calm hair

『リーダーシップ』が自然と身につく環境

経験としてひときわ身になっていることは、“リーダーシップ”を養えたこと。本来自分では苦手だと感じていた“人を引っ張っていく”という能力が組織の役職に就くことで存分に引き出されたという。
「“人を集めたい”と思っても、ただ案内するだけでは誰の心も動かせません。興味を抱かせるような発信をしたり周りを巻き込んで協力し合っていく力を働かせることが大事だと学びました。本を読むだけでは実感として頭に入ってこない情報も、先輩経営者から直接話を聞くことで何倍も理解度は上ります。様々な経験を積まれた先輩方と出会える場所があることは非常に魅力的ですね」
先輩経営者と出会える貴重な環境は、つねに勉強をしながらスピード感をもって成長していける最適な場所。しかしすべての教えを受け入れる必要はない。無理をして完璧を目指すよりも、情報は自身で取捨選択しながら、自店に合った方法を取る方が結果的により良い成果につながるのだ、ということを示してくれた。

『やり方』から経営者としての『在り方』へ思考の転換がターニングポイント

メディアモーダ会員から正会員になってからは、普段なかなか会うことのなかったベテラン経営者との交流も増え、情報の精度が格段に上がったことで、“経営者”としての意識に変化が訪れた。単なる“やり方”は情報があれば誰でも身につけることができる。重要なのは、その先へ導いていける経営者としての“在り方”だ。
「美容業界は人材不足の時代ですが、当店は現在1店舗に9人のスタッフを雇い過不足なく回しています。パートさんや女性の働きやすさを重視して環境を整えているため離職率も低いです。たとえば、アイリストの経験があったスタッフの将来性のために『Calm』内にアイラッシュサロン『小さなアトリエojo(オホ)』を新たに併設しました。当時、東海地方のビューティ統括部長を務めていたため、目標設定や生産性などを勉強しながら運営したところ1人で80万円も売り上げたんです。“やり方”や“売上”よりもスタッフを尊重し大きな器となって受け入れた姿勢が成果につながったと思っています」
何のために売上を伸ばすのか。目先の利益に捕らわれず、つねに会社やスタッフの将来に責任を持って導いていける“人間力”の鍛錬こそが経営者にとっての然るべき“在り方”であることを学んだという松波社長。今後は小さなアトリエシリーズとして2店舗目の出店を構想している。

年齢層を絞ったコンセプトで安定したリピート率を実現

『Calm』は、“髪質改善”など客の悩みに寄り添うアットホームな雰囲気が特徴の地域密着型サロン。30代から50代までの主婦層をターゲットとし、高いリピート率を常にキープしている。
昨今のコロナ禍による客の減少で、顧客がつくスタイリストとそうでないスタイリストがはっきりと可視化されたことをきっかけに、個人に客をつけるよりサロンのコンセプトをより明確にし、サロン全体に顧客をつける方針へシフトチェンジ。一時的に新規客は減ったものの、丁寧なカウンセリングに力を入れ、“髪質改善”や“エイジングケア”など年齢層を絞った客のお悩みに親身になって応えることで確実に顧客が定着するように。また、コンセプトが明確化された結果、スタッフもメニューの提案やアドバイスなどの接客に安定感が増し、指名が増えるなどサロン全体により良い効果をもたらした。

アシスタントのままでOK!?想いを尊重するあたたかいサロン

スタッフ1人ひとりの個性や希望を尊重し、生涯美容師を続けられるサロン作りを目指す『Calm』。スタイリストにはならず、アシスタントのままを希望するスタッフにも無理強いせず柔軟に対応。本人の想いを優先して活躍の場を与えることを何より大切にしている。また、子育て中のママさんも大活躍。主婦層をターゲットとするサロンにとって、ママさん美容師は共感性も高く、提案にも説得力があるため、より良いマッチングで相乗効果をもたらしている。
スタッフが安心して働ける環境であり続け、大きな器で受けとめるあたたかいサロン『Calm』は、ずっと変わらず今日も地域にも愛され続けている。

Calm

INTERVIEW DATA

会社名
Calm
代表
松波 和宏
創業
2010年3月16日
スタッフ数
9名
本社所在地
〒514-0027 三重県津市大門27-13
取材店舗名
Calm
店舗所在地
〒514-0027 三重県津市大門27-13
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