Number理美容経営者のターニングポイントを知り、学ぶ。
1980年10月17日、静岡県浜松市生まれ。高校卒業後、イギリスの『TONI&GUY ロンドンアカデミー』にて1年間ベーシックスキルを学んだ後、東京の美容専門学校にて美容師免許を取得。その後、父親が経営する『wave小豆餅店』へ入社し事業承継。経験を積んだ後、32歳で『wave ~as sugar~』を開業し独立を果たす。現在は、浜松市内にて2店舗を運営している。
事業承継をしながら自らも開業。「アットホーム』と『システム効率』のバランス
ロンドン有名校へ留学後、若干20代で事業承継
高校卒業後、イギリスに渡り世界的に有名な『TONI&GUY ロンドンアカデミー』にて1年間ベーシックスキルを学び、帰国後は東京のサロンで勉強しながら美容専門学校にて美容師免許を取得。卒業後、技術者としても講師としても業界に名を馳せていた父親が経営する『wave小豆餅店』が人材不足に陥ったため、事態を立て直すべく入社。同時に事情で代表が退任したことから事業を継承することとなる。約半年でトップスタイリストに就き、100万円を売り上げるなどすぐに美容師としての頭角を現した大原代表。3年目には店長に就任し、25歳にはSHISEIDOのインストラクター講師も務めるなど、若くして目覚ましい活躍をみせた。
「このまま父と同じ道を進むより、自分の可能性を見出したいと考えるようになり、これまで以上に経営の勉強をして、新たな出店を構想するようになりました」
ただ継承するより、新出店し『開業』という道へ
父親が静岡本部にて本部長を務めていたこともあり、大原代表にとって身近だったSPC。まずは豊橋のボトムアップに入り経営の基礎を学んだうえで静岡本部に入会。その1年後に『wave ~as sugar~』を開業し、経営者としてイチからサロンをつくり上げた。
「私はいわゆる二世のなかでも“二世らしくない”とよく言われます。父の会社をそのまま継承するより、私は私の物語を生きたいと考えています。集客や求人も自分で学んだ経験から増やし、売上も充分に立てられるようになって順風満帆だったところで、当時の副店長がクーデターを起こし、800m以内の距離にお店を出すということがありました。結果的に、スタッフ一丸となってトラブルを乗り越えたことで、さらに会社は軌道に乗り、前より良い方向へ立て直すことができました。開業していなければ、こういった貴重な経験はできなかったと思います」
自らの手で挑戦しない限り、成功や失敗ですら自分の物語にはならない。二世でありながら、初代と同じ苦労経験を持つ大原代表だからこそ、広い視野が持てるのだ。
トラブル・課題は共有し合うことで効率よく解決
前回の選挙にて東海統括の営業統括部長に就任した大原代表。自身がトラブルに面したこともあり、これまでの課題解決方法や危機管理意識を改めて見直し、成果を上げている全国の会員にヒアリングしながら、さらに自身でも情報精度を上げるため勉強を重ね、各本部へ共有するためにセミナーを開催、会議で発表するなど、先代が行っていた“守り”の経営から“攻め”の姿勢へ転換。精力的に活動を行っている。
「静岡のメンバーも苦労している経営者が多いので、トラブルや課題を話し合い、解決策を共有することはとても有意義だと感じています。そうすることで、ひとりで抱え込むより何倍も効率よく問題を解決することが可能になります」
トラブルからの再起がターニングポイント
新出店した『wave~as sugar~』は、集客も売上も順調に成長を続けているように見えたが、その矢先に当時の副店長がお店を辞め、800m以内の場所にヘアサロンを出店した。思わぬトラブルに見舞われたとき、残ったスタッフが“3人でも営業を続けます。行ってください”と背中を押したことで、安心してサロンを任せられ問題解決に集中できたことが再起の大きな力となった。
「突然No.2が抜けたことや、お客様を持っていかれるなど経営状態は悪化しましたが、先輩経営者に同じ経験談を色々聞くことで、より多くの選択肢から解決策を導き出すことができました。何よりも、これをバネにしてゼロからやり直そうと同じ目標を共有し、尽力してくれたスタッフのおかげで以前より会社を軌道に乗せることができました。“人”を大切にすることはサロンの将来を守るということです。弟妹も同じ会社で働いていますが、別の会社も経営している私に継承させる意図は、初代と同じ視点を持ちながら、父の方針であった“守り”の姿勢から、“攻め”に転じ共に引っ張っていく私の方針に将来性を感じてくれているからだと自負しています」
リピート率80%以上!ブランディングとスタッフの心のケアが重要
『wave family』では、スタッフの働きやすさを重視し、職業訓練校の開催やママさん美容師のためにサロン内に託児所を設けるなど、スタッフの心のケアに力を入れている。
「当店の次回予約率は80%を超えています。8割以上のお客様が次回予約をとってくれている状態だと基盤が安定してきますので、“次回はこのトリートメントをしましょう”と施術メニューのコントロールもできますし、同時にスタッフの休みや働き方もコントロールできるようになりました」
浜松で“サラサラツルツルにする店”といえば、『wave family』というコンセプトで酸性・酸熱トリートメントが評判となり、ブランディングを徹底。スタッフの心のケアを大切にすることで、安定したリピート率を獲得し、1人あたりの生産性は向上。以前にも増して順調なサイクルをつくりだしている。
毎年、コンテストや撮影会、東海最大級のヘアショーにも参加。着物展示会イベントやSHISEIDOの講師によるシーズントレンド勉強会を開催するなど、幅広い経験ができ、多岐に渡って活躍できる環境が整っている。
アットホームさとシステム効率のバランス
先代のモットーは『心の経営』。大原代表もそれを受け継ぎ、『wave family』では、アットホームさとシステム効率のバランスを重要視している。東京渋谷にある居酒屋の有名な朝礼に習い、同じく朝礼を実施。その際に、次回予約の状況や売上報告など細かい情報をスタッフ全員で共有している。
「毎朝、朝礼を行うことでスタッフのコンディションがわかるようになりました。調子が悪そうな日などはすぐに気がついてあげられることも利点ですね。理念や数字を毎日共有することでみんなが同じ方向を向いて働くことができるのでサロンのクオリティアップにも繋がっています」
INTERVIEW DATA
- 会社名
- 株式会社ウェーヴファミリー
- 代表
- 大原 英嗣
- 創業
- 2002年4月
- スタッフ数
- 23名
- 本社所在地
- 〒430-0807 静岡県浜松市中区佐藤2-35-18
- 取材店舗名
- wave ~as sugar~ 佐藤店
- 店舗所在地
- 〒430-0807 静岡県浜松市中区佐藤2-35-18